田舎の勉強

筒方地区のあらまし

筒方地区は標高250~350mほどのところに位置し、典型的な中山間地にあります。鎌倉時代からこの地区を流れる別所川沿いに農業が営まれていたと推定されています。江戸時代には高原状の土地に引かれた用水により新田開発が行われました。並行して炭焼きも副業として行われ、光ヶ原高原も近年まで炭焼きが盛んなところでした。
昭和30年代に入ると次第に人口が減り始め、かつて10集落あったものが現在は6つの集落だけになりました。このような状態になった背景には豪雪、地滑りなど厳しい自然はありますが、その後の工事により地滑りは少なくなり、冬の間は除雪により車が使えるようになったにもかかわらず、人口減少傾向を辿るのは、何はともあれこの地域に生活を支える産業が十分ではないいうことが最大の原因といえるでしょう。
しかしながら、この地には自然、歴史、産業、観光のどの面においても知られざるたくさんの資源があります。今後はこの地に多くの人が訪れることを期待したいものです。
以下、この地のあらましについて簡単にご紹介しましょう。

見どころ

筒方地区には「これといった見どころはほとんどない」と私たちの隣人はいいますが、見どころはたくさんあります。

◆光ヶ原高原

関田山脈の黒倉山の山麓に広がる標高約900mに位置する高原。妙高山、火打、黒姫など北信越の2,000m級の山々の景観や頚城平野のパノラマを楽しむことができます。
周辺には関田峠、茶屋池、みずばしょうの森、ブナ林などがあります。上方に立つグリーンパル光原荘は信越トレイルのトレッキングの休憩所と周辺にはキャンプ場も併設されています。

◆信越トレイル

平成20年9月に開通した、斑尾山から鍋倉・黒倉山を経て天水山に至る全長80kmの山稜を歩く道で、年々この道を歩く人が増えてきました。詳細は「信越トレイル」のページを参照ください。

◆関田古代詞・関田神楽(上越市指定無形文化財)

関田古代詞は関田集落に伝わる踊りで、川中島の戦いにおける上杉謙信の戦勝記念に唄われたものが起源と言われています。8月18日の祭礼では集落の人による三味線、笛、太鼓の伴奏に唄が入り、踊りの輪が幾重にもでき、素朴な味わいがかもし出されます。
関田神楽は集落の八幡社に奉納される舞で、村人による獅子舞と天狗の舞で祭礼は最高潮を迎えます。

◆ホタル

近年少なくなりましたが小川の近くで見かけることがあります。筒方集落の下手や大野新田の周辺で飛ぶホタルを見ることができます。

◆ビューポイント

  1. 丈ケ山
    丈ケ山山頂(571.6m)からの頚城平野の眺望が優れています。晴天には北陸新幹線の線路がくっきりと見え、妙高・火打連山も間近に望むことができます。この山は歴史の山でもあり、山麓には山寺薬師(県指定文化財)と中腹には親鸞と恵心の子信蓮坊が修行したと伝わる史跡「聖の窟」があります(歴史のページ参照)。また、この山は菱ケ岳(安塚区)と並んで上越市にふたつある火山性の山のひとつです。
  2. 大野新田
    大野新田の八幡神社の周辺から見る妙高・火打連山を背景にした棚田の風景は絶景です。
    撮影に訪れるカメラマンが近年増えてきました。
  3. 広域農道(達野集落)からの丈ケ山の眺望
    丈ケ山のむき出しのガレ場が眼前に迫り、荒々しい一面を見ることができます。裾野に棚田が緩やかに広がり、絶好の撮影スポットです。

食べる

◆コシヒカリ
筒方地区で取れるコメはほとんどが「コシヒカリ」です。一日の気温の差が大きく、田は粘土質土壌で、きれいな水を引き入れる、この3点が筒方地区の米の美味しさの秘訣です。
◆ソバ
筒方地区はソバの生産量が多いことで知られています。光ヶ原で取れるソバは「霧下そば」と呼ばれ、この地の「ふきんと祭り」「そば祭り」を始め、各種イベントで提供されます。
手打ちで作られる新鮮な風味は好評です。
◆味噌
この地域のもう一つの特産品です。手作りの本格的な味は年々ファンが増えています。
◆ふきんとみそ
春のふきのとうを味噌で炒めた惣菜で独特な風味を味わうことができます。ご飯との相性は抜群です。
◆もち
もち米は当地産の「こがねもち」を使用します。商品化に向け開発が進んでいます。

筒方のひと

筒方地区の最大の資源は「ひと」です。自然は厳しく、「助け合い」が生活する上での必須の条件となります。このような環境の中で、「人を信じる」「人にやさしい」態度が伝統となって定着しているといえるでしょう。ただ、表現はあまり上手とはいえないと思われます。「しょうしがり」「引っ込み思案」「奥ゆかしい」「ぶっきらぼう」こんな表現がぴったりです。でも、「やさしさ」だけはどんな地域にも負けません。筒方地区に来られたらきっこやさしい人に巡り合う機会が数多くあると思います。